予防歯科が浸透して、虫歯の人が減ったら歯医者は潰れるか?

虫歯の人が減ったら歯医者の経営が成り立たなくなってしまうのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

予防歯科の先進国・フィンランドでは、国民全体の80%以上が年に2回以上歯科医院に歯のクリーニングと健診に行くのだそうです。日本ではその割合はわずか2%です。もし日本人がフィンランド並みに、年に2回以上の頻度で歯科医院を利用したら、今の40倍の人数が来院することになります。1日に5人だった予防歯科の患者さんが200人も来院することになるのです。これは今の歯科医院の数では対処できないのではないでしょうか。

最近は歯科医院の数も増えて、患者さんの数が減って困っている医院も少なくないようです。しかし虫歯を「治療」するのではなく虫歯にならないように「予防」するものだという考え方が広まれば、歯医者さんの数は今よりもっと必要になるでしょう。

予防歯科が広まっている国といえば北欧のイメージが強いのですが、シンガポールでも予防歯科への意識は高いようです。

先日お会いしたシンガポールで長く暮らしている女性に「日本では歯の定期的なクリーニングに通っている人が全体の2%」と話したところ、「えーっ! 6ヶ月に一度のメンテナンスにすら行かないのですか!?」「地方の方はさておき、まさか東京の方はそんなことはないでしょう?」と驚いていました。

それに加えて「日本人は歯並びが悪い人が多いですよね」ともおっしゃっていました。これは国民の歯に対する意識の低さが現れているのですね。

予防歯科が広まれば、虫歯も歯周病も減って、歯を削ったり抜くことも減るのでこんなに良いことはありません。日本の歯医者さんと患者さんも、歯科先進国にならって「虫歯治療」から「虫歯予防」へと意識を変えていかなくてはいけませんね。

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