歯周病が重症になるとどうなってしまう?

先日おいでになった30代後半女性の患者さんは、歯肉が腫れて、痛みがあって来院しました。

X線写真を撮ってみると、骨が溶けている部分が多く正常な状態の半分以下やほとんど歯の根の先まで骨が溶けてなくなっている部分もありました。年齢からするとこのように重症の歯周病はめずらしく歯ブラシの仕方に問題があり歯の汚れによる歯周病とは別の原因があると考えなければなりません。

歯の汚れの他に歯周病の原因として考えられるのは…

・ 唾液の量が極端に少ない。
・ 口で息をしている。
・ 強力な歯周病菌の割合が多い。
・ 糖尿病など全身的な問題がある。
・ かみ合わせが悪い。
・ 喫煙をしている。

など、多方面からの原因究明を行わなければ、このまま次々と歯がグラグラになって抜けてしまいます。

20代後半の男性は、お口の中を拝見したところ、今すぐに治療すべき虫歯もなく金属などの入った歯も少なく、歯肉の炎症もなく、年齢的に見てもこれと言って問題がなさそうに見えました。

しかしX線写真を撮ってみたら、驚いたことにかなり骨が溶けて歯周病が進んでいました。
それも部分的に、極端に骨の少なくなっている所が何か所かありました。

歯ブラシの仕方も普通のレベルですし、こんなに悪くなるには何かそれなりの大きな問題を抱えているはずです。

まずはその原因を確かめなければなりません。

悪くて強力な歯周病菌がたくさんいるのか、
かみ合わせが悪いのか、
唾液の量が少ないのか、
気付いていない全身的な疾患があるのか…

その患者さんも今まで通っていた歯科医院では歯石を取ることしかしていなかったそうなので驚いておられました。

歯周病は歯科医院で早い段階に発見し、原因究明を行い、原因の除去を行えば歯を失わずに済みます。虫歯も歯周病も定期的な健診は非常に重要です。

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