虫歯がなくなると歯医者は必要なくなるのか?

昔、ヨーロッパではペストやコレラで、人口の三分の一が死んでしまった時代があったそうです。今はペストやコレラになる人はほとんどいませんよね。それと同じように、いずれは虫歯になる人もほとんどいなくなる時代が来るかもしれません。

一つは、虫歯の原因となる細菌をお口の中からなくしてしまう方法。

もう一つは歯自体を特殊処理して、虫歯菌の出す酸で歯が溶けないようにしてしまう方法。

またはもし虫歯菌で歯が溶けても、薬品などで簡単に元通りの歯の状態に戻す方法。

こんな技術が早く出来るといい、などと話していると「虫歯がなくなると歯医者はいらなくなるんじゃないの?」と言われることがあります。しかし実際には、他の先進国ではもうすでに虫歯はほとんどなくなってきています。

それでも歯科医師の仕事の人気はかなり上位に入っています。北欧のフィンランドでは虫歯や歯周病にならないように、年に数回歯医者に予防に通っている人の割合が国民の80%を超えています。日本ではわずか2%です。もし日本でも80%の人が予防のために歯医者に通うようになったら、今の歯科医院の数では足りません。歯科衛生士も完全に不足です。

そもそも東京でも歯科衛生士のいる歯科医院は半分くらいしかないのですから、完全に予防を行える体制ではないということです。歯医者は悪くなったところを治療するばかりではなく、歯を悪くしないためにもっと予防を広め、日本から虫歯や歯周病をなくしていかなければいけません。

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